ホーム >> 幾何 >> 直角三角形であるための条件
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問題の説明

$△ABC$ が直角三角形となるための同値条件を示す問題です.
ここでは簡単のために,$A,B,C$ という記号でそれぞれ,$\angle A,\angle B,\angle C$ を表すこととします.

$\sin^2 x + \cos^2 x=1$ という関係式はいつでも成り立つので,(2) ⇔ (3) が成り立つことはほとんど明らかです.問題は (1) ⇔ (2) を示すことです.(もちろん (1) ⇔ (3) を示してもよい) つまり,(1) ⇒ (2) が成り立つことと,(2) ⇒ (1) が成り立つことの両方を示さなければなりません.特に,(2) ⇒ (1) を示すことが最大の難所です.

ヒント

(1) ⇒ (2) は素直に示せます.
(2) ⇒ (1) を示す部分が難しいです.
結論の『$△ABC$ は直角三角形である』,という条件は言い換えれば,『$A,B,C$ のいずれかは $\frac{\pi}{2}$』となります.これをコサインと絡めて考えると,$0 < A,B,C <\pi$ なので,

『$A,B,C$ のいずれかは $\frac{\pi}{2}$』⇔『$\cos A \cos B \cos C=0$』

となります.これは,『実数 $x,y,z$ のいずれか $1$ つは $0$』⇔ 『$xyz=0$』が成り立つことと同じようなことです.よって,$\cos^2 A+\cos^2 B+\cos^2 C=1$ という条件から $\cos A \cos B \cos C=0$ をどうにかして示せればよいです.

解答例

(1) ⇔ (2) を示します.すなわち,(1) ⇒ (2) かつ (2) ⇒ (1) が成り立つことを示します.

まず,(1) ⇒ (2) が成り立つことを示します.
$△ABC$ が直角三角形ならば,$A,B,C$ のいずれかは $\frac{\pi}{2}$ です.そこで,$A=\frac{\pi}{2}$ としても一般性を失いません.すると,$\cos A=0$, $B+C=\frac{\pi}{2}$ が成り立ちます.よって, $$\cos^2 A+\cos^2 B+\cos^2 C=\cos^2 B+\cos^2 C \\ =\cos^2 B+\cos^2 \left(\frac{\pi}{2}-B \right)=\cos^2 B+\sin^2 B=1$$ となるので,(1) ⇒ (2) が成り立ちます.

次に,(2) ⇒ (1) が成り立つことを示します.
仮定より, $\cos^2 A+\cos^2 B+\cos^2 C=1$ が成り立つので,この等式の両辺 $2$ 倍すると, $$2\cos^2 A-1+2\cos^2 B-1+2\cos^2 C=0$$ となります.倍角の公式より,$\cos 2A=2\cos^2 A-1$, $\cos 2B=2\cos^2 B-1$ が成り立つので, $$\cos 2A+\cos 2B+2\cos^2 C=0$$ となります.さらに,積和公式から, $$2\cos (A+B)\cos (A-B)+2\cos^2 C=0$$ です.$A+B=\pi-C$ なので, $$2\cos (\pi-C)\cos (A-B)+2\cos^2 C= \\ -2\cos C\cos (A-B)-2\cos C\cos (A+B)=0$$ すなわち, $$\cos C \big(\cos(A+B)+\cos (A-B)\big)=0$$ 再び積和公式を用いると, $$\cos C \cos A \cos B=0$$ が成り立ちます.これより,$\cos A=0$ または $\cos B=0$ または $\cos C=0$ となるので,結局,$A,B,C$ のいずれかは $\frac{\pi}{2}$ となります.

以上より,(1) ⇔ (2) が示せました.


直角三角形という条件がきれいな数式で表されています.