同じ色の玉が $3$ つ以上連続しない並べ方|思考力を鍛える数学

制約条件のついた数え上げの問題です.単に,赤球と青球を $5$ つずつ一列に並べるだけなら,その並べ方は ${}_{10} \mathrm{C} _5=252$ 通りあります.ところが,同じ色の球が $3$ つ以上連続しないという制約条件がついています.

きれいにスパッと解く方法はおそらくないと思うので,いかに重複や漏れがないように (そして要領よく) 数え上げるかがポイントです.

考え方のヒント

連続する同色の球をひとつのかたまり (ブロック) として見てみましょう.たとえば,問題文中の図では,赤球は $(1,2,1,1)$ の $4$ つのブロックに分かれています.青球は $(1,1,2,1)$ の $4$ つのブロックに分かれています.

ブロックの数について,何か言えることはないでしょうか.あるいは,赤球のブロックの数と青球のブロックの数の関係について,何か言えることはないでしょうか.

解答

赤球のブロックの個数を $n$,青球のブロックの個数を $m$ とします. このとき条件から,次の二つが成り立ちます. $$3 \le n \le 5,3 \le m \le 5$$ $$|n-m| \le 1$$ よって,$n,m$ のとりうる組は $(n,m)=(3,3),(3,4),(4,3),(4,4),(4,5),(5,4),(5,5)$ の $7$ 通りです.このそれぞれの場合について,球の並べ方を考えればよいです. まず,ブロックの個数に応じて並べ方を考えます.

(1) ブロックが3つのとき

$5$ つの球を $3$ つのブロックに分けて並べる方法は下図のように $3$ 通りあります.

(2) ブロックが4つのとき

$5$ つの球を $4$ つのブロックに分けて並べる方法は下図のように $4$ 通りあります.

(3) ブロックが5つのとき

$5$ つの球を $5$ つのブロックに分けて並べる方法は下図のように $1$ 通りあります.

また,$n=m$ のときは,下図のように,一番左の球が赤球か青球かで $2$ 通り考えられます.

一方,$n \neq m$ のときは,各色の球の分け方を決めてしまえば,並べ方はただ一つに決まります. たとえば,$(n,m)=(3,4)$ の場合, 赤球の分け方を $1$ つ決めたとして,

さらに青球の分け方も $1$ つ決めたとすると,

球の並べ方はただ一通りしかありえません.

以上の考察により,球の並べ方の総数は, $$3\times3\times2+3\times 4+4\times 3+4\times4\times2+4\times1+1\times4 +1\times1\times2=84$$ したがって,$\boxed{84}$ 通りが答えとなります.

参考

$5$ つずつではなく,他の数の場合の並べ方の総数が以下のサイトに載っています.
赤球と青球をそれぞれ $n$ 個ずつ一列に並べるとき,同じ色の球が $3$ つ以上連続しない並べ方

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