自己言及のパズル|思考力を鍛える数学

何を問うているのかわかるでしょうか.この問題は問題文がその問題文自身について言及しています(自己言及).一見,問題文には$1〜5$の数字はそれぞれ$1$個ずつしか書かれていないので, $?$ に入る数字はすべて$1$かと思われるかもしれませんが,もし $?$ にすべて $1$ を書くとすると,その書いた $1$ も含めて$1$の数の合計は$6$個となるので,文章が正しくなりません.つまり, $?$ に書かれた数字も含めて,文章が正しくなるようにしなければならないのです.

考え方・方針

あてずっぽうに数字を入れてもなかなか文章を正しく成立するようにできないと思います.この問題は論理パズルの一種ですので,論理的に考えることで正解を導き出すのが趣旨です.さて,どのように考えれば正解にたどり着くことができるでしょうか.

まずは,どの $?$ が一番考えやすいかを考えます.直感的にはいきなり $1$ の個数を絞るのは難しそうということはわかるのではないでしょうか.逆に $5$ の個数はどうでしょうか.$5$の個数はそれほど多くなさそうなので,可能性を絞りやすいです.したがって,大きい数字の個数から決定していく方針で解いてみましょう.

大きい数字の個数から絞っていく

まず,文章中に $i$ が $a_i$ 個書かれているとしましょう.ただし,$i=1,2,3,4,5$です.文章中に同じ数字が$6$個以上書かれることはありえないので, $$1 \le a_i \le 5  (i=1,2,3,4,5)$$ が成り立ちます. また,文章には合計で$10$個の数字が書かれることになるので, $$\sum_{i=1}^5 a_i=10$$ という条件が成り立ちます.したがって,$a_1$〜$a_5$のうち,$5$であるものは多くとも$1$個しかありません.ところが,$a_i=5$として文章が成り立つものはないので,$a_1$〜$a_5$のいずれも$5$ではありません.このことより,$a_5=1$であることがわかります.以下同様にして,大きい方の数字の個数が決まっていきます.

答え

この問題文には, $1$が $3$ 個,  $2$が $2$ 個,  $3$が $3$ 個,  $4$が $1$ 個,  $5$が $1$ 個書かれている.

が正解となります.

条件式を使って丁寧に場合分けをすれば確実に解けます.

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