ホーム >> 数と式 >> 平方根の定義と基本的な公式




平方根の定義

$a$ を実数とします.$2$ 乗すると $a$ になる数のことを $a$ の平方根と言います.言い換えると,$a$ の平方根とは,$2$ 次方程式 $$x^2=a$$ の解のことです.

正の実数 $a$ の平方根は必ず $2$ つあり,それらは絶対値が等しく,符号が異なります.そのうち,正の平方根を $\color{red}{\sqrt{a}}$ とかき,負の平方根を $\color{red}{-\sqrt{a}}$ と書きます.記号 $\sqrt{}$ のことを根号,あるいはルートと言います.

$\sqrt{a}$ とは,$a$ の正の平方根のことである.
$-\sqrt{a}$ とは,$a$ の負の平方根のことである.

平方根の定義と基本的な性質,公式を紹介します.

・$\sqrt{36}=6$
・$-\sqrt{16}=-4$
・$\sqrt{\frac{9}{25}}=\frac{3}{5}$
・$-\sqrt{1.21}=-1.1$

注意

・$2$ 乗して $0$ になる数は $0$ しかないので,$0$ の平方根は $0$ のみです.
・複素数の範囲では,負の実数の平方根を考えることもできるのですが,ここでは考えません.

以下では,非負実数の平方根のみ考えます.

平方根の性質

平方根の定義から,次の性質がわかります.わざわざ性質というほどのことでもないですが,基本的で大切なことです.

平方根の性質:
$$\large (1) \ \ a\ge 0 \ のとき,(\sqrt{a})^2=a,\ (-\sqrt{a})^2=a,\ \sqrt{a} \ge 0$$ $$\large (2) \sqrt{a^2}=|a|$$

それぞれについて,簡単に説明します.

まず,($1$) の $(\sqrt{a})^2=a,\ (-\sqrt{a})^2=a$ は,定義から $\sqrt{a},-\sqrt{a}$ はともに $2$ 乗すると $a$ になる数だったので,当然成り立ちます.($1$) の $\sqrt{a} \ge 0$ も,$a>0$ のときは $\sqrt{a}$ は定義から正であり,$a=0$ のときは $\sqrt{a}=0$ なので,いずれにしても成り立ちます.

($2$) は勘違いされやすいので注意が必要です.まず,($2$) において,$a$ は正でも負でもよいことに注意してください.なぜなら,$a$ が正だとしても負だとしても,$a^2$ は非負なので,$\sqrt{a^2}$ という数は正しく定義されるからです.
$a > 0$ のとき,$\sqrt{a^2}$ は $2$ 乗して $a^2$ となる正の数なので,$\sqrt{a^2}=a$ です.
$a < 0$ のとき,$\sqrt{a^2}$ は $2$ 乗して $a^2$ となる正の数なので,$\sqrt{a^2}=-a$ です.
$a=0$ のときは $\sqrt{a^2}=\sqrt{0}=0$ です.
これらを合わせると,$\sqrt{a^2}=|a|$ が成り立つことがわかります.

つまり,$\sqrt{a^2}$ という数は,$a$ が正か負かによって,$a$ になるか $-a$ になるかが分かれるけれど,絶対値記号を用いればスッキリ表すことができるということです.絶対値記号を使うことで場合分けを隠しているのです.

平方根の公式

平方根の公式: $a,b,k$ を正の実数とするとき,次の公式が成り立つ.
$$\large (1)\ \sqrt{a}\sqrt{b}=\sqrt{ab}$$ $$\large (2)\ \frac{\sqrt{a}}{\sqrt{b}}=\sqrt{\frac{a}{b}}$$ $$\large (3)\ \sqrt{k^2a}=k\sqrt{a}$$

・$\sqrt{3}\sqrt{21}=\sqrt{3\times 21}=\sqrt{3^2\times 7}=3\sqrt{7}$
・$\frac{\sqrt{135}}{\sqrt{3}}=\sqrt{\frac{135}{3}}=\sqrt{45}=\sqrt{3^2\times 5}=3\sqrt{5}$

分数の計算結果をできる限り約分して既約分数の形にするのと同様に,平方根の計算では,根号の中身をできるだけ簡単な数にするのが慣例です.たとえば,上の例では $\sqrt{45}$ と $3\sqrt{5}$ はどちらも全く同じ数ですが,$3\sqrt{5}$ という形まで計算を進めるのが普通です.根号の中身をできるだけ簡単な数にすることの利点のひとつは,それがどのぐらいの値なのかが大体わかるようにするためです.たとえば, $$\sqrt{4961250}$$ などという数を見たとき,これがだいたいどのぐらいの値なのか,すぐにわかる人は少ないでしょう.しかし, $$\sqrt{4961250}=\sqrt{2\times 3^4\times 5^4 \times 7^2}=\sqrt{2\times(3^2\times 5^2\times 7)^2}=1575\sqrt{2}$$ なので,実は,$\sqrt{4961250}$ は $1575$ に $\sqrt{2}$ をかけた数です.次節でみるように,$\sqrt{2}=1.41421356...$ なので, $$\sqrt{4961250}\fallingdotseq 2227.38$$ とわかります.このように,式をできるだけ簡単にしておくことで,それがどのぐらいの値なのかが判断しやすくなるのです.

平方根の小数表示

小さい数の平方根の値を以下に示します.
$$\sqrt{2}=1.41421356...$$ $$\sqrt{3}=1.73205080...$$ $$\sqrt{5}=2.23606797...$$ $$\sqrt{6}=2.44948974...$$ $$\sqrt{7}=2.64575131...$$ $$\sqrt{10}=3.16227766...$$ $$\sqrt{11}=3.31662479...$$ 正の整数 $d$ が平方数のとき,$\sqrt{d}$ は整数になります.また,$d$ が平方数でないとき,$\sqrt{d}$ は無理数となることが知られているので,上の小数表示はおわることなく永遠につづきます.$\sqrt{2},\sqrt{3},\sqrt{5}$ ぐらいの小数表示の最初の方は,覚えておくと役に立つことが稀にあります.

正の実数 $m$ が与えられたとき,$\sqrt{m}$ の詳しい値までは必要なくとも,だいたいどのぐらいの値なのか知りたい場合は多々あります.実は,つぎのようにして $\sqrt{m}$ の整数部分を簡単に求めることができます.

まず,平方数の数列 $$1^2,2^2,3^2,4^2,5^2,6^2,7^2,...$$ を考え,$m$ がこの数列のどこに位置するかを考えます.すなわち,$k^2 \le m < (k+1)^2$ を満たす自然数 $k$ を求めます.すると,この不等式の根号をとることにより, $$k \le \sqrt{m} < k+1$$ が得られます.したがって,$\sqrt{m}$ の整数部分が $k$ であることがわかります.