直線の式の求め方|思考力を鍛える数学

与えられた様々な条件から直線の方程式を導けるようになりましょう.

傾きと $y$ 切片がわかっている場合はもっとも基本的です.

傾き $a$ ,$y$ 切片が $b$ の直線は,$y=ax$ を $y$ 軸の正の方向に $b$ だけ平行移動したものであり,その方程式は, $$y=ax+b$$ で表せます.

直線の式 $1$: 傾きが $a$ であり,$y$ 切片が $b$ の直線の方程式は, $$\large y=ax+b$$

つぎは,傾きとその直線が通る一点の座標がわかっている場合です. 傾きが $a$ であり,点 $(x_1,y_1)$ を通る直線の方程式を求めてみましょう.

傾きが $a$ なので,求めるべき直線は $$y=ax+b \cdots (1)$$ とかけます.(ただし,$b$ は未知数です)これが $(x_1,y_1)$ を通るので,$x=x_1,y=y_1$ を $(1)$ 式に代入すると, $$y_1=ax_1+b$$ したがって, $$b=y_1-ax_1$$ と求まります.これを式 $(1)$ に代入すると, $$y=ax+(y_1-ax_1)$$ $$y=a(x-x_1)+y_1$$ よって次が成り立ちます.

直線の式 $2$: 傾きが $a$ であり,点 $(x_1,y_1)$ を通る直線の方程式は, $$\large y=a(x-x_1)+y_1$$

今度は $2$ 点を通る直線の方程式を求めましょう. $2$ 点 $(x_1,y_1),(x_2,y_2)$ を通る直線の方程式を考えます.

$x_1=x_2$ のとき

下の図より,直線は,$y$ 軸に平行になります.

したがって,直線の方程式は, $$x=x_1$$ です.なぜなら,この式は $x$ 座標が $x_1$ となるようなすべての点を指しています.それはすなわち,$x$ 座標が $x_1$ であり, $y$ 軸に平行な直線のことに他なりません.

$y_1=y_2$ のとき

下の図より,直線は,$x$ 軸に平行になります.

したがって,直線の方程式は, $$y=y_1$$ です.

$x_1\neq y_1$ かつ $x_2\neq y_2$ のとき

すなわち,下図のように $2$ 点がななめに配置している場合を考えます.

まず,傾きを求めます. $$(傾き)=\frac{(y座標の変化分)}{(x座標の変化分)}$$ で求められるので,ここでは $$(傾き)=\frac{y_2-y_1}{x_2-x_1}$$ となります.そして直線は $(x_1,y_1)$ を通るので,前節の公式より,直線の方程式は, $$y=\frac{y_2-y_1}{x_2-x_1}(x-x_1)+y_1 \cdots (2)$$ です.

ちなみに,式 $(2)$ で,$y_1=y_2$ とすると,$y=y_1$ となります.したがって,式 $(2)$ は $y_1=y_2$ の場合も含んでいます.つまり直線が $x$ 軸と平行となる場合も成り立つ式です.よって次が成り立ちます.

直線の式 $3$: $2$ 点 $(x_1,y_1),(x_2,y_2)$ を通る直線の方程式は, $$\large y=\frac{y_2-y_1}{x_2-x_1}(x-x_1)+y_1 (x_1\neq x_2 のとき)$$ $$\large x=x_1 (x_1=x_2 のとき)$$

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