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問題の説明

数列がある不等式を満たすとき,その数列が単調に減少することを示す問題です.
$\{a_{n}\}$ が等差数列であることに注意してください.等差数列が単調減少数列であるとはどういうことでしょうか.

解法 $1$

$\{a_n\}$ の公差を $d$ とします.$d < 0$ を示せばよいですね.

まず,$a_1 \le 0$ と仮定すると,$0 < a_1+a_2+\cdots+a_N $ ですから,$d > 0$ です. $0 < a_1+a_2+\cdots+a_N < Na_{N}$ より,$a_{N} >0$ です.したがって,$a_{N+1} >0$ となります.しかしこれは問題文の不等式の $0< -a_{N+1}$ に矛盾します.

よって,$a_1 >0$ です.このとき,$d \ge 0$ と仮定すると $a_{N+1} >0$ となります.しかしこれは再び問題文の不等式,$0< -a_{N+1}$ に矛盾します.よって,$d < 0$ となります.

以上より,$a_1 > a_2 > a_3 >\cdots$ が示されます.

解法 $2$

代数的に解くこともできます.

方針は解法 $1$ と同じで,$\{a_n\}$ の公差を $d$ として,$d < 0$ を示します.

$\{a_{n}\}$ は等差数列なので,その一般項は $$a_{n}=a_1+d(n-1)$$ です.さらに, $$a_1+a_2+\cdots+a_{N}=\sum_{k=1}^{N} \left(a_1+d(k-1) \right)=a_1N+\frac{1}{2}dN(N-1)$$ なので,与えられた不等式は, $$0 < a_1N+\frac{1}{2}dN(N-1) <-a_1-d(N-1)$$ となります.第二式
$$a_1N+\frac{1}{2}dN(N-1) <-a_1-d(N-1)$$ を整理すると, $$(N+1)\left(a_1+\frac{1}{2}dN \right) < 0$$ となり,$N+1 >0 $ なので,$\color{red}{\underline{\color{black}{a_1+\frac{1}{2}dN < 0}}}$ です.また,第一式を $N$ で割ると, $$0 < a_1+\frac{1}{2}d(N-1)$$ すなわち, $$\color{red}{\underline{\color{black}{\frac{1}{2}d < a_1+\frac{1}{2}dN }}}$$ です.赤線の2式より, $$d < 0$$ となります. したがって,$a_1 >a_2>a_3>\cdots $ が示されます.