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平方完成とは

平方完成とは,$2$ 次方程式 $ax^2+bx+c$ を式変形して,$a(x+p)^2+q$ という形にすることです.たとえば,$2$ 次方程式 $x^2+4x+1$ を平方完成すると,$(x+2)^2-3$ となり,$-2x^2+3x-1$ を平方完成すると,$-2\left(x-\frac{3}{4}\right)^2+\frac{1}{8}$ となります.

与えられた $2$ 次方程式をすばやく平方完成できるようになりましょう.

$x^2$ の係数が $1$ のとき

まず,$x^2$ の係数が $1$ のときの平方完成のやり方を覚えましょう.
例として,$x^2+6x+2$ を平方完成してみます.

手順 $1$: $x$ の係数を $2$ で割った数 (これを $p$ とする) を考える.
例の場合,$x$ の係数は $6$ ですから,これを $2$ で割った数は $3$ です.つまり,$p=3$ です.

手順 $2$: $(x+p)^2$ を書く.
$(x+3)^2$ をまず書きます.ところがこのままでは定数項が合っていないので,定数項を調整することを考えます.

手順 $3$: $(x+p)^2$ の定数項 $p^2$ と元の式の定数項を比較して,調整する.
例の場合,$(x+3)^2$ の定数項は $9$ です.そして,元の式 $x^2+6x+2$ の定数項は $2$ です.つまり,$(x+3)^2$ から $7$ 引けば元の式になるので,$(x+3)^2-7$ が元の式を平方完成した結果となります.

平方完成をすばやく行うポイントは,手順 $2$ の部分です.手順 $1$ はだれでも数秒でできます.手順 $1$ のあとすぐに,$(x+p)^2$ という形を書きます.この形を書いてから定数項を調整することを考えると,すばやく平方完成することができます.

$x$ の係数が負の数の場合も同じです. 例として,$x^2-3x+1$ を平方完成してみます.

手順 $1$: $x$ の係数を $2$ で割った数は $-\frac{3}{2}$ です.

手順 $2$: $\left(x-\frac{3}{2}\right)^2$ と書きます.

手順 $3$: $\left(x-\frac{3}{2}\right)^2$ の定数項は $\frac{9}{4}$ です.一方,元の式の定数項は $1$ です.よって,$\left(x-\frac{3}{2}\right)^2-\frac{5}{4}$ とすれば,元の式になります.

$x^2$ の係数が $1$ でないとき

$x^2$ の係数が $1$ でない場合の平方完成をしてみましょう.基本的には,$x^2$ の係数が $1$ である場合と同じです.例として,$3x^2+2x+1$ を平方完成してみましょう.

手順 $0$: $x^2$ の係数で,$x^2$ と $x$ の項をくくる.
$x^2$ の係数は $3$ です.したがって, $$3x^2+2x+1=3\left(x^2+\frac{2x}{3}\right)+1$$ です.$3$ で $x^2$ と $x$ の項をくくりました.カッコの中だけみれば,これはまるで $x^2$ の係数が $1$ であるように見えます.したがって,カッコの中に $x^2$ の係数が $1$ のときの手順を適用すればよいのです.

手順 $1$: カッコの中の $x$ の係数を $2$ で割った数 (これを $p$ とする) を考える.
カッコの中の $x$ の係数を $2$ で割った数は,$\frac{1}{3}$ です.

手順 $2$: $a(x+p)^2$ を書く.
$3\left(x+\frac{1}{3}\right)^2$ を書きます.

手順 $3$: $a(x+p)^2$ の定数項 $ap^2$ と元の式の定数項を比較して,調整する.
$3\left(x+\frac{1}{3}\right)^2$ の定数項は $\frac{1}{3}$ です.一方,元の式 $3x^2+2x+1$ の定数項は $1$ です.したがって,$3\left(x+\frac{1}{3}\right)^2+\frac{2}{3}$ とすれば元の式と一致します.これで平方完成できました.

一般の場合

一般に,$2$ 次方程式 $ax^2+bx+c (a \neq 0)$ を平方完成すると, $$ax^2+bx+c=a\left(x+\frac{b}{2a}\right)^2+c-\frac{b^2}{4a}$$ となります.右辺を展開すれば,確かにこの等式が正しいことが確かめられます.この結果は全く覚える必要はありませんが,上で述べた手順はこの等式が元となっています.


平方完成は二次関数の最大・最小問題や,不等式の証明問題等,幅広く用いられる汎用性の高い式変形です.