$3$ 対 $3$ の総当たり戦とは,どの生徒も他校の $3$ 人の生徒と戦ったということです.したがって,合計 $9$ 試合行われたことになります.さらに引き分けがないので,どの試合も一方の生徒が勝ち,他方の生徒が負けたことになります.
問題の複数の条件を上手に整理する力が問われています.
ヒント
まずは状況を整理するためにどのような工夫をするかがポイントです.対戦表を考えると,試合の結果を視覚化できます.
最後の $3$ つの条件をどう扱うかが一番の難所になります.これらの条件は一見複雑そうですが,実は $3$ つの条件は $A→B→C$ と巡回的になっているので,意外と単純に理解することができます.
解説
状況を整理するために,つぎのような $3\times 3$ の対戦表を考えます.
この対戦表のマスの中に $◯,×$ を書いて,総当たり戦の結果を記していきます.ただし,主語は $\Sigma$ 高校とします.つまり,たとえば一番左上のマスに $◯$ と書けば,それは $A$ が $X$ に勝ったことを意味します. さて,まずは $2,3$ 番目の条件から,つぎのように $2$ つのマスが埋まります.
また,$1$ 番目の条件は,『どの行もどの列もすべて $◯$ となったり,すべて $×$ となったりはしない』$\cdots (*)$ という意味に解釈できます. 問題は最後の $3$ 条件です.一見複雑そうな条件に見えますが,この $3$ つの条件は $A→B→C$ と巡回的になっているので,対戦表で $3$ 条件をまとめて考えると意外と簡単になります. まず,『$A$ は $B$ が負けた相手には負けなかった.』という条件について考えてみましょう.これを対戦表で考えると,$B$ の行 (つまり真ん中の行) のどこかのマスに $×$ が書かれていれば,その上のマスは必ず $◯$ になるということです. 残り二つの条件も合わせて考えると, 『どこかのマスに $×$ が書かれていれば,その上のマスは必ず $◯$ になる』ということが従います.(ただし一番上の行のマスの上とは,対応する列の一番下のマスのこと) この条件の対偶をとると, 『どこかのマスに $×$ が書かれていれば,その下のマスは必ず $◯$ になる』ということが従います.これら $2$ つの条件を合わせると,結局, 『どこかのマスに $×$ が書かれていれば,その上のマスと下のマスは必ず $◯$ になる』$\cdots (**)$ ということが導かれます. あとは,条件 $(*)$ と $(**)$ を使って対戦表を埋めていけばよいです.
以上より,$C$ が勝ったのは $X$ と $Z$ ということがわかります.