根号を含む方程式|思考力を鍛える数学

左辺の根号が含まれた式が厄介なので,根号を外すことを考えます.やり方は2パターンあります.移項して両辺を何乗かする方法と,文字を適切に置換する方法です.どちらでも解けますが,どちらの方法がよりスマートに解けるでしょうか.
解法がいくつか思いついた時は,解き始める前にどの解き方が一番簡単に正解を導けるかを一旦考えてみるとよいです.

方法1

移項します. $$\sqrt[3]{x+3}=3-\sqrt{6-x}$$ 両辺$3$乗すると, $$x+3=(81-9x)-(33-x)\sqrt{6-x}$$ となります.これを移項して, $$(33-x)\sqrt{6-x}=78-10x$$ を得ます.さらに両辺$2$乗します. $$(33-x)^2(6-x)=(78-10x)^2$$ 展開して整理すると, $$x^3+28x^2-75x-450=0$$ となります.これを因数分解すると, $$(x+3)(x-5)(x+30)=0$$ となるので,$x=-3,5,-30$となります. これは確かに元の方程式を満たしているので,$x=-3,5,-30$が答えとなります.
この方法は途中の計算が厄介で,最後の因数分解のところもなかなか面倒です.ではもう$1$つの方法はどうでしょうか.

方法2

文字の置換によって,根号を消すことを考えます. $\color{red}{x+3=a^3,6-x=b^2}$とおくと, $$a^3+b^2=9 ・・・(1)$$ が成り立ちます.また,元の方程式に代入すると, $$a+b=3 ・・・(2)$$ となります.(1),(2)式から$b$を消去すると, $$a^3+a^2-6a=0$$ すなわち, $$a(a-2)(a+3)=0$$ となるので,これより$a=0,2,-3$を得ます.したがって,$x=-3,5,-30$となります.
どちらの方法で解いても答えは当然同じになりますが,答えを導くまでの計算量に違いがあります.解き始める前にその解法がどのぐらいの計算量になるか概算できる力は試験などでは重要になってきます.

複数のアプローチの仕方がある問題は面白いですね.

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