自然数 $1,2,3,…$ のそれぞれに,一つずつの数 $a_1,a_2,a_3,…$ を対応させて作った数の列を数列と言います. たとえば, $12$ の約数をならべたもの: $1,2,3,4,6,12$ 偶数をならべたもの: $2,4,6,8,…$ 自然数そのものの列: $1,2,3,…$ などはすべて数列です.
数列をつくるひとつひとつの数を項といい,第 $n$ 番目の項 $a_n$ を第 $n$ 項といいます.
項が有限個の数列を有限数列といい,項が無限個の数列を無限数列といいます.
第一項を特別に初項といい,有限数列の場合は,一番最後の項を末項といいます.
数列を表現する方法はいくつか考えられます.有限数列の場合はすべての項を書き並べればそれで表現できるのですが,それでも項の数が多い場合はすべて書くのは大変ですし,無限数列の場合はすべての項を書きあらわすことはできません.そこで,簡単に数列を表現する方法が必要になってきます. 有限数列の場合と無限数列の場合で若干表記が異なるので,それぞれの場合にわけて紹介します.
有限数列の場合
項の数が少ない数列はすべて書き並べて表記すればよいですね.たとえば,項の数が $5$ 個であれば, $$a_1,a_2,a_3,a_4,a_5$$ と書けば数列を表現できます. 項の数が比較的多い場合はすべて書き並べるのは大変ですので, … を使って間を省略します.たとえば,項の数が $100$ 個であるような数列は $$a_1,a_2,…,a_{100}$$ と表記します.
他にも,$a_n (n=1,2,3,…100)$ や,$\{a_n\}_{n=1}^{100}$ あるいは単に $\{a_n\}$ と書くこともあります.
無限数列の場合
無限数列の場合は,末項がないので, $$a_1,a_2,a_3,…$$ と表記します. 他にも,$a_n (n=1,2,3,…)$ や,$\{a_n\}_{n=1}^{\infty}$ あるいは単に $\{a_n\}$ と書くこともあります.
注意点
上で述べたように,$\{a_n\}$ と書けば数列全体のことを指しています.一方,$a_n$ というように$\{\}$ を省いて書いた場合は数列の第 $n$ 項を指しています.細かいことですが,記述等で書くときにはこの違いに気をつけて下さい.
数列の第 $n$ 項を $n$ の式で表したものを数列の一般項といいます.一般項が与えられると,その式の $n$ に適当な自然数を代入して計算することで,数列の求めたい項がわかります. たとえば,偶数の数列 $$2,4,6,8,10,…$$ の一般項は $2n$ です.したがって,この数列の第 $100$ 項を求めたければ,一般項に $n=100$ を代入して,$2 \times 100=200$ と瞬時に計算することができます.つまり,一般項がわかれば,数列を順に追っていかずとも求めたい項の値がわかるのです.
一般項が $n$ の式で表せる代表的な数列として,等差数列と等比数列があります.
等差数列: $2,5,8,11,14,…$ の一般項は $3n-1$ 等比数列: $1,2,4,8,16,…$ の一般項は $2^{n-1}$ 数列の一般項が $n$ の式で表せる場合は限られています.一般項が知られていない数列の代表的なものは,素数を並べた数列です. 素数の列:$2,3,5,7,11,13,17,19,…$