二進法と十進法の変換方法|思考力を鍛える数学

私達がふだん目にしている数字の表記法はそのほどんどが十進法と呼ばれるものです.これは,$0$ から $9$ までの十種類の数を用いてすべての数 を表現する方法です.たとえば,$1234$ という数は, $$1234=1\cdot10^3+2\cdot10^2+3\cdot10^1+4\cdot10^0$$ のことです.このように十進法では,自然数を $10$ のべき乗の和で表記した時の係数を順に並べているのです.このとき,その係数は $0$ から $9$ までの自然数となります.小数も同様で,たとえば,$321.45$ という小数は, $$321.45=3\cdot10^2+2\cdot10^1+1\cdot10^0+4\cdot10^{-1}+5\cdot10^{-2}$$ のことです.このように係数のみを並べて書くことで大きな数も比較的簡単に表すことができます.

一方,二進法とは $0$ と $1$ のたった二種類の数を用いてすべての数を表現する方法です.ある自然数 $m$ が $0$ または $1$ の値をとる自然数 $a_0,a_1,\cdots,a_{n-1},a_{n}$ を用いて $$m=a_n2^n+a_{n-1}2^{n-1}+\cdots+a_12^1+a_02^0$$ と表記されるとき,$m$ を二進法で $a_na_{n-1}\cdots a_1a_0$ と書くという風に約束します.

たとえば,$10110$ は $$10110=1\cdot2^4+0\cdot2^3+1\cdot2^2+1\cdot2^1+0\cdot2^0$$ のことであり,これは十進法で $22$ を意味しています.

紙面に書かれた数が十進法表記なのか二進法表記なのかを明確に分ける必要が有る場合は,$1011_{(2)},1011_{(10)}$ のように数の右下に括弧書きで明記することがあります.文脈から十進法表記なのか,二進法表記なのかが明らかな場合は括弧書きを省略することもあります.

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