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トレミーの定理とは

トレミーの定理: 円に内接する四角形 $ABCD$ について,次の等式が成り立つ. $$\large AB\cdot CD+AC\cdot BD=AC\cdot BD$$

トレミーの定理

トレミーの定理は,円に内接する四角形の辺と対角線の長さに関する定理です.

右図において,赤い線分同士の積と青い線分同士の積の和が,緑の対角線の長さの積に等しいという主張です.

余弦定理を知っていれば,トレミーの定理を知っていなくても基本的には問題ありませんが,知っていた方が早く問題が解ける場合があります.

また,検算に使えるため,センター試験などで役に立つことがあります.

トレミーの定理の証明

余弦定理を用いる証明がよく知られていますが,初等幾何学で導くこともできます.ここでは,初等幾何学による証明を紹介します.三角形の相似と円周角の定理を用います.

証明: 線分 $AC$ 上に,$\angle ABM=\angle CBD$ であるような点 $M$ をとる.
トレミーの定理の証明
円周角の定理から, $$\angle CAB=\angle CDB$$ である.したがって,$△ABM$ と $△DBC$ は相似である.
トレミーの定理の証明
したがって, $$AB:AM=DB:DC$$ すなわち, $$AB\cdot CD=AM\cdot BD \cdots ①$$ が成り立つ.
一方,$\angle ABD=\angle CBM$ であり,円周角の定理から, $$\angle ADB=\angle ACB$$ なので,$△ABD$ と $△MBC$ は相似である.
トレミーの定理の証明
したがって, $$AD:BD=MC:BC$$ すなわち, $$AD\cdot BC=MC\cdot BD \cdots ②$$ が成り立つ.①式と②式を辺々加えると, $$AB\cdot CD+AD\cdot BC=AM\cdot BD+MC\cdot BD=(AM+MC)\cdot BD$$ $$=AC\cdot BD$$ よって, $$AB\cdot CD+AD\cdot BC=AC\cdot BD$$ が成り立つ.

練習問題

トレミーの定理を使う問題を解いてみましょう.

 円に内接する四角形 $ABCD$ について,$AB=3,BC=5,AD=CD,\angle ABC=120°$ が成り立つ.このとき,$BD$ の長さを求めよ.

→solution

余弦定理より,$AC=7$ である.また,四角形 $ABCD$ は円に内接するから, $$\angle ADC=180°ー\angle ABC=60°$$ これと $AD=CD$ より,$△ACD$ は正三角形.
$AC=7$ より,$AD=CD=AC=7$.したがって,トレミーの定理より, $$7\cdot BD=7\cdot 5+7\cdot 3$$ よって,$BD=8$

 $AB=4,AC=5,BC=6$ であるような $△ABC$ について,$△ABC$ の外接円上に点 $D$ をとると,直線 $AD$ は $\angle BAC$ の二等分線となった. このとき,比 $\frac{AD}{CD}$ の値を求めよ.

→solution

仮定より,$\angle CAD=\angle BAD$ である.円周角の定理より,$\angle CAD=\angle CBD,\angle BAD=\angle BCD$ なので,$BD=CD$ となる.
$BD=CD=x$ とおくと,トレミーの定理より, $$5x+4x=6\cdot AD$$ よって, $$\frac{AD}{x}=\frac{3}{2}$$ 答えは $\frac{3}{2}$

次の問題もトレミーの定理を用いて解くことができるので,参考にしてみてください.
→正七角形の性質