ホーム >> 平面図形 >> 直角・鋭角・鈍角三角形の判定法

余弦定理を用いた三角形の判定法を紹介します.




三角形の種類

三角形は内角の大きさによって,$3$ 種類に分けられます.

すべての内角が $90°$ 未満のとき,鋭角三角形と言います.
一つの内角がちょうど $90°$ のとき,直角三角形と言います.
一つの内角が $90°$ より大きいとき,鈍角三角形と言います.

3種類の三角形

余弦定理を用いた判定法

三角形の $3$ 辺の長さが与えられた時,その三角形が鋭角・直角・鈍角三角形のどれであるかを判定する方法を紹介します.
たとえば,$BC=3,CA=4,AB=6$ である $△ABC$ について考えてみましょう.図が与えられていなければ,この三角形がどのような形状をしているのかすぐにはわかりません.

ポイントは,三角形が鋭角・直角・鈍角三角形のどれであるかを考えるためには,その三角形の最も大きい角だけ考えればよいということです.最も大きい角が $90°$ 未満ならば鋭角三角形で,$90°$ ならば直角三角形で,$90°$ より大きいならば鈍角三角形です.

さらに,三角形の最も大きい角は最も長い辺の対角です.これは正弦定理により従います. したがって,今回の例では,辺 $AB$ の対角である $\angle C$ について考えればよいということになります.いま,$3$ 辺の長さがわかっているので,$\angle C$ に余弦定理を用いれば,$\cos \angle C$ が求められます. $$\cos \angle C=\frac{AC^2+BC^2-AB^2}{2\cdot AC\cdot BC}=\frac{4^2+3^2-6^2}{2・4・3}=-\frac{11}{24}$$ $0° < \angle C < 180°$ で, $\cos \angle C <0$ ですから,$90° < \angle C <180°$ であることがわかります.つまり,$△ABC$ は鈍角三角形です.

以上の考察をまとめるとつぎのような手順で判定することができます.

step1: 三角形の最も長い辺を見つける.
step2: その辺の対角のコサインを求める.
step3: コサインの値が正ならば鋭角三角形,$0$ ならば直角三角形,負ならば鈍角三角形である.

より洗練された判定法

上の節において,コサインの正負を判定する方法を再検討してみましょう.余弦定理で次のような式を計算しました.
$$\cos \angle C=\frac{AC^2+BC^2-AB^2}{2\cdot AC\cdot BC}$$ ところが,$3$ 辺の長さはつねに正なので,右辺の分母 ($2\cdot AC\cdot BC$) はつねに正であるから,コサインの値の正負のみを考えるときはこの分母の部分は影響しません.したがって最初から考慮する必要はありません.以上から次のことが言えます.

$△ABC$ の形状の判定法: $BC=a,CA=b,AB=c$ とし,$a \le b \le c$ とする.このとき,次が成り立つ.

$a^2+b^2 > c^2$ のとき,$△ABC$ は鋭角三角形である.
$a^2+b^2 = c^2$ のとき,$△ABC$ は直角三角形である.
$a^2+b^2 < c^2$ のとき,$△ABC$ は鈍角三角形である.

つまり,三角形の最も長い辺の $2$ 乗 $c^2$ とその他のふたつの辺の $2$ 乗和 $a^2+b^2$ の大小を比べることで,三角形の形状が判定できるのです.