この問題は,”Wason selection task”(またはWason four-card problem)と呼ばれていて,イギリスの心理学者のPeter Cathcart Wason(1924-2003)が1966年に考案した論理パズルです.ウェイソンが行った研究ではこの問題の正解者は10%以下でした.一時期イギリスでちょっとした話題になった問題のようです.ひっかけ問題などではなく,注意深く丁寧に調べていくことが重要です.
基本的な考え方
問題で問われているのはめくるべきカードです.$4$枚すべてをめくれば当然真偽はわかりますが,そうではなくて,最小限めくるべきカードはどれかということを問われていることに注意してください.
また,$4$枚のカードが並んでいますが,カードとカードの間にはなんの関係もありません.したがって,一つ一つのカードについてそれをめくる必要があるのかどうかを調べていけばよいということになります.
1枚ずつ調べる
以下解説です.読む前にぜひ一度ご自分で考えてみることを強く推奨します. 左のカードから順番に見ていきましょう.
3のカードについて
3のカードはめくる必要がありません.なぜなら,与えられた命題は偶数が書かれたカードのみに言及しているので,奇数が書かれたカードの反対の面が何色であろうとこの命題の真偽には全く関係がないからです.
8のカードについて
8のカードはめくる必要があります.これはほとんど明らかなことです.
青色のカードについて
青色のカードはめくる必要がありません.なぜなら,反対の面にどのような数字が書かれていようと,手前の面は青色なので与えらた命題が偽となることはありえないからです.
赤色のカードについて
赤色のカードはめくる必要があります.なぜなら,もし反対の面に偶数が書かれていれば,与えられた命題が偽となるからです.
以上より,めくるべきカードは$8$のカードと赤色のカードです.いかがでしたか?普段,ロジックを積極的に用いている方にとっては簡単だったかもしれません.