hide or visible

方針・考え方

整数解の組をすべて決定する問題です.整数の組を代入してすべてを調べ尽くすことは不可能なので,ある程度条件を絞らなけばなりません.基本的に整数解をすべて決定する問題は次のいずれかの方法で条件を絞ることが可能です.

方法1. 余りに注目して解の候補を有限個に絞る.
方法2. 不等式で抑えて解の候補を有限個に絞る.

問題の方程式をよく観察すると,右辺は偶数であることに気づきます.このことから,$2$の倍数で割った余り,すなわち遇奇に注目してみるという発想が生まれます.

自然数の表示方法

以下に書かれている解説を読むにあたって,少し寄り道をしましょう. 自然数の表示方法は多くありますが,その中でもよく使われる$2$つの表示方法を紹介します.

No1.素因数分解表示 
 これはみなさんよく知っている表示方法だと思います.$N$を任意の自然数とすると,有限個の素数$p_1,p_2,...,p_k$と有限個の負でない整数$m_1,m_2,...,m_k$を用いて, $$N=p_1^{m_1}p_2^{m_2} \cdots p_k^{m_k}$$ と一意的に表せます.一意的というのは数学用語で,表示の方法が$1$通りしかないという意味です.

No2.2ベキ表示
 2べき表示という言い方は一般的ではなく,筆者が勝手に名付けている呼び方なので注意してください.$N$を任意の自然数とすると,負でない整数$a$と奇数$b$を用いて, $$N=2^ab$$ と一意的に表せます.特に$a=0$のとき,当然ですが$N$は奇数です.この表示はどういう意味かというと,$N$は$2$で$a$回割り切れるが,$a+1$回は割り切れないということです.

たとえば,$N$が単に偶数のときは自然数$m$を用いて$N=2m$と書けますが,$2$べき表示はこれより強いことを主張しています.したがってこの表示を用いると,偶奇に着目して整数問題を解くときでは新しい情報(より強い条件)が手に入ることが多いです.以下の解説ではこれを用いて解いています.

解説

右辺は偶数なので,左辺に注目すると,$n$は必ず偶数であることがわかります.したがって,$1$以上の整数$a$と奇数$b$を用いて, $$n=2^ab$$ と一意的に書けます.これを代入すると, $$(2^ab)^m=2^{am}b^m=2m^{2^ab}$$ となります. ここで,場合分けを行います.
Case1: $m$が奇数のとき
 $am=1$となるので,$a=m=1$です.これらより,$(m,n)$=$(1,2)$がすぐにわかります.
Case2: $m$が偶数のとき
 $n$のときと同様に,$1$以上の整数$c$と奇数$d$を用いて$m=2^cd$と一意的に書けます.これを元の式に代入すると, $$2^{2^cad}b^{2^cd}=2^{(2^abc+1)}d^{2^ab}$$ となります.$b,d$は奇数なので,両辺の$2$の指数に注目すると, $$2^cad=2^abc+1$$ とならなければなりませんが,$a,b,c,d \ge 1$なので左辺は偶数,右辺は奇数となって不合理です.

以上より,求める整数解の組は$(m,n)=(1,2)$です.


整数問題では遇奇に着目するのは定番の初手だと思います.