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数式処理の基本である因数分解と展開の公式をまとめました.




基本的な因数分解・展開公式

以下は絶対に覚えておくべき基本的な因数分解・展開公式です.
がんばって暗記するようなものではなく,ふつうに数学をしていると,あまりに使う頻度が多すぎて自然と身に付いてしまう類のものです.

\begin{array}{ll} \Large1. &\large (a+b)(a-b)=a^2-b^2 \\ \Large2. &\large (a+b)^2=a^2+2ab+b^2 \\ &\large (a-b)^2=a^2-2ab+b^2 \\ \Large3. &\large (a+b)^3=a^3+3a^2b+3ab^2+b^3=a^3+b^3+3ab(a+b) \\ \Large4. &\large (a-b)^3=a^3-3a^2b+3ab^2-b^3=a^3-b^3-3ab(a-b) \\ \Large5. &\large (a+b)(a^2-ab+b^2)=a^3+b^3 \\ &\large (a-b)(a^2+ab+b^2)=a^3-b^3 \\ \end{array}

展開するのは簡単ですが,因数分解するのは難しいことが多いです.

覚えておくと役立つ因数分解・展開公式

以下の公式もよく出てきます.覚えておいて損はないでしょう.

\begin{array}{ll} \Large1.&\large (a+b+c)^2=a^2+b^2+c^2+2ab+2bc+2ca \\ \Large2.&\large (a+b+c)(a^2+b^2+c^2-ab-bc-ca)=a^3+b^3+c^3-3abc \end{array}

$2.$ に関連して, $$a^2+b^2+c^2-ab-bc-ca=\frac{1}{2}\left\{ (a-b)^2+(b-c)^2+(c-a)^2 \right\} \ge 0$$ が成り立つことは知っておくと役に立つかもしれません.

その他の発展的な公式

以下は発展的な公式ですが,大学入試や数学オリンピックでは常識として知っておくべき知識です.

\begin{array}{ll} \Large1. &\large (x+y)^n=\displaystyle \sum_{k=0}^n {}_n \mathrm{C} _k x^ky^{n-k} \\ \Large2.&\large (x-y)(x^{n-1}+x^{n-2}y+ \cdots +xy^{n-2}+y^{n-1})=x^n-y^n \\ \Large3.&\large (x+y)(x^{2n}-x^{2n-1}y+ \cdots +xy^{2n-1}-y^{2n})=x^{2n+1}+y^{2n+1} \end{array}

文字を $a,b$ から $x,y$ に変えましたが特に意味はありません.
$1$ は二項定理とよばれる非常に重要な式です.上のほうで出てきた $(a+b)^2$ や $(a+b)^3$ の一般化になっています.
$2,3$ は難関大学入試問題等でよく使う式です.$3$ は少しわかりにくいですが,$n$ が奇数のとき, $$(x+y)(x^{n-1}-x^{n-2}y+ \cdots -xy^{n-2}+y^{n-1})=x^n+y^n$$ が成り立つということです. これは $n$ が奇数の時に $2.$において$y$ に$-y$ を代入することで示せます.

$\underline{Example}$
\begin{array}{ll} ・(x+y)^4&={}_4 \mathrm{C} _0 x^4+{}_4 \mathrm{C} _1 x^3y+{}_4 \mathrm{C} _2 x^2y^2+{}_4 \mathrm{C} _3 xy^3+{}_4 \mathrm{C} _4 y^4 \\ &=x^4+4x^3y+6x^2y^2+4xy^3+y^4 \\ ・x^4-y^4&=(x-y)(x^3+x^2y+xy^2+y^3) \\ ・x^5+y^5&=(x+y)(x^4-x^3y+x^2y^2-xy^3+y^4) \end{array}