問 $0 < \alpha < \frac{\pi}{2}$とする.$\angle BAC=\frac{\pi}{2}+\alpha$である鈍角三角形$ABC$に対して,$\angle PBC=\angle PCB=\alpha$となるような点$P$を三角形の外部にとる.このとき点$P$は$△ABC$の外心であることを示せ.
2016/4/22
幾何
★☆☆☆☆
まずは図を書いてみましょう.$P$から$BC$に下ろした垂線の足を$D$としておきます.さて,$△PBC$は低角$\alpha$の二等辺三角形です.したがって$PB=PC$となります.点$P$が$△ABC$の外心であることを示すためには$PA=PB=PC$を示せばよいです.
$PB=PC$であることはすでにわかっているので,あとは$PA=PC$または$PA=PB$を示せばよいです.$PA=PC$であることを示すことにしましょう.まず,簡単な計算によって,$\angle CPD=\frac{\pi}{2}-\alpha$であることがわかります.ここで,線分$AC$の垂直二等分線と直線$PD$の交点を$Q$とおきます.このとき,$Q$は$△ABC$の外心です.したがって中心角$\angle BQC$は, $$\angle BQC=2(\pi-\angle BAC)=\pi-2\alpha$$ です.よって, $$\angle CQD=\frac{1}{2}\angle BQC=\frac{\pi}{2}-\alpha$$ であることがわかります.$P,Q$は同一直線上の点で,$\angle CPD=\angle CQD=\frac{\pi}{2}-\alpha$なので,点$P$と点$Q$は一致します.つまり点$P$は$△ABC$の外心であることが示せました.