ホーム >> 記号 >> 和の記号 $\sum$ の使い方

シグマ記号の使い方について解説します.




和の記号 $\sum$ の書き方

和の記号は,紙面には書ききれないほどの多くの数量を足すことを考える場合に便利です.たとえば,$1$ から $100$ までの数の足し算を考えるとき,これをすべて紙面に書き表すのは大変です.なのでたとえば, $$1+2+3+\cdots+99+100$$ のように途中を $\cdots$ を用いて途中を省略して書くという方法があります.和の記号 $\sum$ を用いるとさらに簡単に,そしてさらに厳密に書き表すことができます.たとえば,$1$ から $100$ までの数の和を $\sum$ を使って書くと, $$\sum_{i=1}^{100} i$$ となります.$\sum$ というのはギリシャ文字のシグマ ($\sigma$) の大文字です.これは英語では $s$ にあたる文字で,を意味する $sum$ の略です.

$\sum$ の下に書かれている $i$ は添字を表す記号です.$i$ という文字を使わなければならないというわけではないので,どのような記号を用いてもよいですが,慣習として,$i,j,k$ などの文字が使われることが多いです.重要なことは, ここでの添字は和をとるためだけに使われるので,和をとったあとは消滅するということです.下の例で,右辺には添字が出てこないことを確認してください.

$\sum$ の下側に添字の始まりをかき,上側に終わりを書きます.つまり,$\sum_{i=1}^{100}$ とは,シグマ記号の右側にある式について,$i$ を $1$ から $100$ まで動かしてとりうる値すべてを足すという意味です.ここでは,シグマ記号の右側の式が $i$ なので, $$\sum_{i=1}^{100} i=1+2+3+\cdots+99+100=1050$$ となります.

$\underline{Example}$
$$\sum_{i=1}^{10} i^2=1^2+2^2+3^2+\cdots+9^2+10^2=385$$
$$\sum_{i=1}^{n} \frac{1}{i(i+1)}=\frac{1}{1\times2}+\frac{1}{2\times3}+\cdots+\frac{1}{n(n+1)}=1-\frac{1}{n+1}$$
$$\sum_{i=1}^{100} 1=1+1+1+\cdots+1=100$$
$$\sum_{i=10}^{15} (2i-3)=17+19+21+23+25+27=132$$

$\sum$ の性質

$\sum$ 記号には線形性があります.

$\sum$ の性質 (線形性): $c$ を定数とすると,次が成り立つ.
$$(1)  \sum_{i=1}^n ca_i=c \sum_{i=1}^n a_i$$ $$(2) \sum_{i=1}^n (a_i+b_i)=\sum_{i=1}^n a_i+\sum_{i=1}^n b_i$$

実際にシグマで書かれた和を書き出してみると,これらが成り立つことは明らかです.たとえば ($2$) は, $$\sum_{i=1}^n (a_i+b_i)=(a_1+b_1)+(a_2+b_2)+(a_3+b_3)+\cdots+(a_n+b_n) \\ =(a_1+a_2+\cdots+a_n)+(b_1+b_2+\cdots+b_n)=\sum_{i=1}^n a_i+\sum_{i=1}^n b_i$$ となります.足し算はどのような順番で行っても結果が同じになるのでこれはほとんど明らかなことですね.

$\sum$ の注意点

定数の和

シグマ記号にかかっている式が定数の場合は,その定数を足し続けます.たとえば, $$\sum_{i=1}^5 3$$ と書かれていた場合,シグマの右側の式には $i$ が含まれていませんが,この場合は,$3$ を五回足すという意味になります. $$\sum_{i=1}^5 3=3+3+3+3+3=15$$

$\sum$ の有効範囲

シグマ記号は,右側の式にかかっていますが,式のどこまでの部分について和をとるのかは明確にしておかなければなりません.たとえば, $$\sum_{i=1}^n i+1$$ と書かれていた場合, $$\left(\sum_{i=1}^n i\right)+1=\frac{1}{2}n(n+1)+1$$ のことなのか, $$\sum_{i=1}^n (i+1)=\frac{1}{2}n(n+1)+n$$ のことなのかわかりにくいので,区別して書くように心がけるべきです.これは,自分以外の人が見るときに明確にしておくという意味もありますが,自分自身の勘違いを防ぐという意味もあります.

$\sum$ の意味がわからなくなったら

$\sum$ の形で書かれた式の意味がわからなくなったら,$1+2+3+\cdots+100$ のように,書き出してみることをオススメします.たとえば,次の問題が良い例ですが,
→和の計算の処理
問題中の $\sum$ の式が一体どういうものなのかよくわからなったらとにかくまず書き下してみるとよいです.ただ眺めてるより,よっぽど有益な情報が手に入ります.